The light stuff  あかるいひとたち

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冒険中の話

天国と地獄?!

俺らが町に着いたのは、まだ太陽が天辺にきたくらいだった。ちょい早めの昼メシ食った後は自由行動ってなったんで、俺は腹ごなしついでに散策に出てみることにしたって訳。空はどこまでも青、青、青で白い雲ひとつねぇ、いわゆる快晴ってやつだ。陽気もポカポカと気持ちがいい。まさに外出にはもってこいな天気ってやつだろ?

こんな日はなんか良い事の一つもありそーだ、なぁんて思いながら俺は気の向くままぷらぷらと歩いていた。そしたら途中で綺麗なオネーさんに、声とかかけられちゃったりしてさぁ。(黙っていれば)絵画の如き完璧な美少年と称される俺なんだから、まー当然ちゃ当然なんだけどもよ。しかしあの魅力的なお誘いを断るのには骨が折れたぜぃ!!まさに今日ってラッキーディなんじゃねーのってことで、俺の気分はさらに上がりまくった。

そんな俺の視界に、ふとオレンジブラウンの髪が映る。背を向けてるから俺から顔は見えねーんだけども、あの背丈といい、あのとんがり帽子といい、服装といい間違いねーな、あれってアリーナじゃん。・・・・・何してんだ?っていうか、おいおいそいつ誰だよ?

話はちょい逸れるが、俺はかなり目が良いらしい。なので前方百メータくらい先にいるアリーナを視認できたんだが、こういうときに必ずいや絶対、愛しの姫さんに付き添ってるはずのクリフトの姿はどっこにも見当たらねえときた。そのかわりに隣にいたのが、へらっとした顔の、なんつーか、とにかく奴がいたら『絶対アリーナには近寄らせないタイプの男』だったりしたんで、一体これって何事かと思ったね。

俺が近づいてそっと様子を伺ってみたとこ、アリーナは宿への道聞いてんだけど、そいつはまるきり言うことなんざ聞いちゃなくて、しきりに何処かに遊びに行こうって誘ってやがったんだ。要するにただのナンパだ。けどさぁ、相手がわりいよオニーサン。好意にはとことん鈍感なこのお姫様にゃ、いつまで粘ったってそんなの通じねーんだよな。つかさ、あいつが居ないで良かったねぇ?俺はあいつの数十倍は優しいからさ命までは取んねーし、んじゃ、まぁ、そういうことで、とっとと退散してくれや。

けれどもナンパ男を追い払った俺を、アリーナはすんげー顔で睨み返してきやがった。
「おいおい、何その顔?せっかく助けてやったのによぉ」
ナンパされたなんてこれっぽっちも思ってねーんだろうから、感謝しろってのも無理なんだろーけども、それが人様に向ける面か!仮にもお前は一国の姫さんなんだろうが!と思わず口にだしちまったんだが。
「クリフトはどこ?何でクリフトと一緒じゃないのよぉ」
そっちかよっ!俺は思わずコケそうになった。こっ恥ずかしいからあんま言いたかねえけど、親友だからっていつも一緒なわけじゃねーし、別行動する日もあるっつーの!

「んだよ!俺とあいつが一緒にいると文句垂れるくせに、何で(一緒に)いなくても睨まれなきゃなんねーんだ」
「なによー、いつもいつもわたしの邪魔ばかりしてるくせにっ、どうして今日に限って一緒にいないのよ!!」
「馬鹿いうなぃ!!俺に言わせりゃ、お前とあいつが一緒じゃないほうが不思議だってーの!!」
「あら、そう?」
この俺の言葉にアリーナのきつかった眦が急に下がる。そこで俺はすかさず話題を変えることにした。見境のないジェラシーに、いちいち付き合ってたら身が持たんわ。

「それよかどうして一人でこんなトコいるんだよ?まさか黙って出てきたりしてねーよな?じーちゃんが知ったら憤死すんぜ?」
「ソアラじゃあるまいし、そんなことしないわよ。さっきまでマーニャ達とお買い物してたんだけど、ミネアが蚤の市で、はまっちゃったのよ。それでわたしだけ先に帰ってなさいって言われたんだけど、せっかくだしちょっとだけと思ってお店見てたら、なんか道がわかんなくなっちゃって・・・。そうしたらさっきの人が声をかけてきたの」
「ああ、そゆことね」

最初の一言は引っかかるが、まぁ流してやろう。荷物持ちにクリフトがついて行かなかったのは、女特有の買い物ってやつだから遠慮したんだな。マーニャとミネアと一緒なら、ナンパなんてされても二人が軽くあしらってくれちゃうだろうから心配いらねぇし。そうじゃなかったら、過保護なあいつがアリーナの側から離れることなんかねーもんな。しかし、ミネアにも困ったもんだ。あのクセ、どうにかならんもんかね。ああ、ミネアってさなんか自分の琴線にふれる景色や道具とかを見ると、それを見つめたまま何時間も動かなくなるんだよな。あれだ、もう梃子でも動かないっていうやつの典型。

ちなみにマーニャはカジノから動かなくなり、クリフトは本を見だすとそっちにいったきりになり、アリーナは色んな好奇心が止まらない鉄砲玉だ。んでもってじーちゃんは花、ライアンは武器、トルネコのおっちゃんは子供をみると語りまくるときた。考えてみりゃ、全員がはた迷惑な奴らなんだよなーまったくよぉ。
「そう言うソアラは何してたの?」
「俺は腹ごなしに散策。あ、ちゃんと出かけるっていうのは言ってきたかんな!ところでミネアって夕メシまでに戻ってくんのか?」
「マーニャがついてるから大丈夫だと思うけれど、どう?」
「俺に聞くなよ」
「だって、付き合いはソアラの方が長いじゃないの」
「安心しろ、仲良し度はそっちのが断然上だ」
「やだ、なによそれ」
くすくすと笑うアリーナと肩を並べ俺らは歩き出した。どうやらすっかりご機嫌は直ったようだ。ふう、やれやれだぜ。

「で、この後お前はどうすんだよ?宿戻んねーなら、一緒にいてやってもいいぞ?」
「なにそれ?」
「姐さん達に帰れって言われてもハイそーですかって帰りたくない気持ちはわかるんでね。けどお前をこのまま放っぽって一人で歩かすわけにもいかんからだ」
んなことになったら後で俺がどうなるか、考えるだけでおそろしい。
「うーん。どうしようかしら」
ちょっと悩んでるようなアリーナに、俺はトドメの一言を放つ。
「どっちでもいいぞ。けど戻ったらお前、たぶんじーちゃんとお勉強だぜぃ?それよかこっちのが楽しいと思うけどなー」
「はぅぅ」
よしよし、ついでにダメ押しといくか。
「それにあいつも、今頃町にいたりしてな。上手くあいつが見つかりゃ、俺はお役御免ってことで消えてやんよ」
「いいわ。そういうことなら付き合ってあげる」
おっしゃぁー!これで念願のケーキセットが食えるぜ!!!!いや、実はさっき見かけたカフェの看板に『本日カップルデー、カップル限定でケーキセットを半額にいたします』ってあったんだよねー。俺みたいな旅人はさ、やっぱ割引っては有効活用しなきゃいかんのだよ。へへ、上手くいった!上手くいった!

「んじゃ、お茶でもしながらこのあとの予定組もうぜっ!」
「信じられない!あれだけにお昼ご飯食べたのに、もうなにか食べる気?」
「いいじゃん!甘いモノは別腹なんだよ」
こうして今日ってやっぱラッキーディだなんて思いつつ、俺は美味しいケーキをたらふく食った。後で看板を見たアリーナには、怒られてセットを奢らされテイクアウト用のケーキ代まで払わせられたが、俺はそれでも幸せだった。
 
そう、宿に帰って部屋の扉を開けるまでは・・・・・・・・。

勿論その後は、皆のよく知るオチ。
目が全然笑ってない、それはそれは麗しい笑顔を貼りつけた(悪魔)神官様に俺は厳しく尋問され、冷たい嫌味をいわれ、激しく精神的に追い詰められることになった。冗談じゃねぇよ、俺はなんにも悪いことしてねーよ。ただ、ケーキ一緒に食っただけじゃねーか!!なのにどうしてこの仕打。つーか見てたならどうにかしろよ、このヘタレがぁぁぁぁ。

ああ、誰かお願いだ。お願いだからこの状況、誰か嘘だと言ってくれ!!!!

おしまい
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