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「特殊設定の話」
学パロ ちょっと長めの話 

学校へGOGO!~お嬢様の家庭の事情 その3~

一方、ソアラとシャルが叫んだのと時を同じくして。

「う?!」
生徒会室ではクリフトが、突如襲った悪寒に身を震わせていた。
「風邪でもひいたんじゃないか?」
顔色が良くない、と指摘する生徒会長レックが心配そうにクリフトの様子を伺う。
「いえ。大丈夫ですから」
と、議事録を書き込みながら首を振るクリフト。几帳面で字が綺麗なクリフトは書記を担当している。

「・・・体調には十分に気をつけてくれよ」
何か言いたそうではあったが、そう言うだけに留めるレック。
「風邪、ならよかったんだろうけどねぇ」
それを横目に見ながら小さく呟くのは、生徒会副会長にして剣道部主将の魔王様ことリュカ。
「頼むからお前は動くなよ・・・・」
さらにそんなリュカを見て、ため息をつくのは庶務担当であり剣道部副主将のヘンリーだ。
「嫌だなぁ、わかっているよ。頼まれない限り、僕から何かすることはないってば」
と、ニコニコ笑顔で楽しそうにリュカは言う。魔王は何でもお見通しなのである。
「ああ、是非そうしてくれ」
最近では彼を人間に戻すことは諦めて、暴走させないように務めることが目標になっているヘンリーなのであった。

「クリフト。後はこちらでやるから、君はもう帰っていいよ」
会議自体は先程終了し、今は後片付けや残務処理の最中であった。レックはそう言うと議事録をクリフトから奪い取る。
「まさか、そんな訳にはいきません!」
だが生真面目なクリフトがそれに頷くはずもなく、レックから議事録を取り返そうとする。
「そういうけど、自分顔色ホンマ酷いで?」
クリフトと同級で会計担当のホフマンも、眉を顰めそんなクリフトを制止した。

「本当に大丈夫ですから!!」
そう訴えるクリフトに、ニコニコ顔のリュカがきりかえす。
「そのセリフには何度も騙されているんだけどなぁ?」
「主・・じゃなかった副会長!ですが皆が働いているというのに、僕だけ休むというのは納得できません!!」
言われても、とことん生真面目な性格のクリフトは、頑として譲らなかった。

「なら会長及び副会長命令だ。いいから今すぐ帰れ。異論は認めないよ」
微笑みを消したリュカが、ついに強権を発動する。こうなっては最早逆らうことは許されなかった。笑みを消したリュカの黒い瞳には、ある種の凄みと反論を許さない何か、が存在する。リュカが魔王と呼ばれる原因の一つでもあるが、これが彼の強みでもあるのだ。

「・・・・・わかりました。では申し訳ありませんが、お先に失礼いたします」
「うん、お疲れ様」
と手を振るリュカと他一同。
渋々ながら、一礼して生徒会室を出るクリフト。妙に背筋がピンと伸びているのは、久々自分に向けられたリュカの迫力に気圧されたせいであろう。

「はぁ・・・・・・・・」
扉を閉めた途端に、口からため息が漏れた。
この所良く眠れていない自覚はあったが、他人に指摘されるほどだとは思ってもみなかったクリフトである。
原因はただ一つ。アリーナから件の話を聞いてからというもの、常に頭にそれがちらついて離れないからだ。しかし自分に何も言えることはなく、出来る事もない。不安がるアリーナとこの話をすることも、この2、3日避けていた。

果たして本当に見合いなのかどうか?アリーナ同様、クリフトにもそこはどうにも読めなかった。アリーナの父は、サントハイムを拠点とする大企業グループの最高責任者であるが、かなり破天荒で、時にとんでも無い事態を引き起こすという人物である。

ようするに娘とそっくりなのだが、豪快な武勇伝も過去に幾度となく目にしてきただけに、見合いというのがありえない話ではない、という推論から結局抜け出せない。

それとなく、ブライ校長にも探りはいれたものの、『儂は仕事の都合上どうにもならんから、約束をすっぽかさないように当日はお前が、きちんとお嬢様をエスコートしていくように』と逆にとんでも無いことを頼まれる始末。
だが居候としてもう十年以上も、アリーナの家に厄介になり、ブライの庇護も受けている身分としては、これを拒否もできるはずもなく、苦悩は深まるばかりであった。

「参ったな」
と、クリフトはひとりごちた。こうしていくら思い悩んだ所で、思考が堂々巡りに陥ることは明らかだ。(生徒会の)仕事に没頭していれば、つかの間でも忘れられると考えていただけに、リュカにその場から追い出されたことは、さらに身に堪えた。再びため息をついたクリフトは、ポケットの中で震えるスマートフォンに気がついた。会議の為にバイブレーションモードにしていたのだ。

画面に指を滑らせば、何件ものメール着信有りとのメッセージ。開いてみれば、ボックスにはいかにもメールに慣れていないという様子が、ありありと伺えるひらがなだけの件名が羅列されていた。ソアラは祖父の影響か、いまどきの十代らしからぬ機械音痴で、未だにメール操作がおぼつかない。勿論カメラも使えないし、彼がまともに出来るのは通話くらいなものだった。しかも面倒くさがりなので、メールでのやり取りを嫌がる傾向が強いソアラからのメール、となればそれはかなり珍しい。

「え?!」
メールを追っていた、クリフトの顔が驚愕に染まる。
『きょうしつでまつ』から始まった彼のメールは、その後も件名欄にそれぞれ『はよこい』『まだかー』『たのむからはやく!』『やばい』『くるしい』『おたすけ』『もうだめ』とだけ記されて唐突に終わっていた。

(まさか、さっきの悪寒は何かの前触れだったのか?!)
これを見たクリフトは生徒会役員らしからぬ行動をとる。つまり廊下を駈け出し、2年5組の教室へと急いだのだった。

続きます
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#24[2013/03/26 17:34]     














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