The light stuff  あかるいひとたち

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「特殊設定の話」
学パロ ちょっと長めの話 

学校へGOGO!~お嬢様の家庭の事情 その2~

「せ、先生ごめんなさい」
「あなたが謝ることなくてよ、シャル」
シャルが恥ずかしそうに身を縮めながら謝罪した。兄の愚行に散々苦労していることが伺えるその様子に、ミネアも己と重ねて、つい同情してしまっていた。アリーナは、ソアラの菓子に対するある種の才能というか執着に呆れるやら、感嘆するやらである。

「あ、あの。そうだ私、明日にでも何か作って持ってきます!」
何とか兄の尻拭いをしようと、懸命に訴えるシャルだったが、料理の腕前はアリーナと互角である(要するにまともなものは作れない)
「気持ちだけ、頂いておくわね」
その事実を知っているだけに、有無を言わさぬ微笑みを浮かべて断りをいれるミネア。
「ほぇぇぇ・・・」
「シャル、元気だして!」
間髪を入れぬこの返答に、がっくりと肩を落とすシャルを慰めるアリーナであった。


相変わらず空気の読めないソアラは、これらの一連のやりとりには一切構わず、暢気にロールケーキを頬張りながら片方をアリーナに向けて言った。
「しかしわっかんねーよなー。お前さ、何悩んでんだよ?」
「お兄ちゃん。一体何を聞いてたのよぉ・・・・」
先ほどのダメージと、兄のこのトンデモ発言に、もはや涙目になるシャル。

「だってよぉ。アリーナの答えは、ハナっから出てるわけじゃん?たとえ本当に見合いだったとしてもだ、アリーナはきっぱりすっぱり断る気だろーが。違うんか?」
「そうよ。当たり前じゃない!」
と、アリーナは頷く。
「だよな。んじゃ、なーんも問題ないじゃねーの。俺が言うのも何だけどもよぉ、あいつはお前のこと、そりゃーもうマグマより深ーく愛しちゃってるんだぜ。だったら何の不安があるんだよ?」
なんで俺がこんな事言わなきゃなんねえんだと、思いつつもソアラはそう言い切った。

「嘘ぉ・・・、お兄ちゃんがまともなこと言ってる」
シャルは思わず心の声を呟いていた。確かにアリーナの思考はいつもごくシンプルで、即断即決が旨である。アリーナの心の中で、断るという決断が出来ている以上ソアラのこの言い分には、説得力があるように思えた。空気は読めないくせに、人の心の機微はわかるのがソアラという少年の不思議な所であった。

「クリフトはわたしのこと、そこまで好きじゃないわよ」
だがソアラの問いに対して、アリーナは大きな紅玉の瞳に翳りを浮かばせながら、かむりを振った。
「んなわけあるかい!!」
即座に否定するソアラ。クリフトがどんなにアリーナを大事に想っているか、ソアラはよくわかっていた。それにいくら思慮深い性格のクリフトとはいえ、恋人に見合いの話となれば、さすがにいい顔はしないはずだ。最近、妙に物思いに耽ることが多くなったのはこれのせいかと、合点もいくわけで。

「だって、この話になると『そうですか』とか『大丈夫ですよ』とか『何かお父上には考えがあるんでしょう』って繰り返すだけで他には何にも言ってくれないのよ!きっとわたしのこと、お嫁さんにする気無いんだわ!!」
アリーナはそう言うと、ぽろぽろと大きな瞳から涙をこぼし始めた。

「へ?!嫁ぇ?」
この予想外の答えにソアラは素っ頓狂な声をあげた。まさかこの年で嫁を貰うだ、何だという話になるとはさすがに早すぎる。
「え、えっと」
シャルも困惑を隠せない様子でオロオロと、泣きだしたアリーナを見るだけだ。

「ああ、そういうこと」
と、ミネアはすべてを理解した。クリフトはアリーナの家の居候という、いささか肩身の狭い立場にある。まして年端もいかない一時期、周囲の大人の思惑により不当な扱いを受けたことが影響し、今でも自己評価が極端に低い。恋人であるアリーナを未だ『お嬢さん』としか呼べないのもそのせいである。そういった背景があるから、アリーナの父に意見をいうことなどクリフトにとってみれば、到底無理な話であった。それに結婚話など、先ほどのソアラの反応のように普通の男子高校生には、正直遠すぎる話だ。けれど、アリーナにはそれが理解出来ていないから、色々とすれ違いが生じているのだろう。ミネアがそう説明すると、ソアラもシャルもようやく納得がいったようであった。

「女の子は、ただ一人を想って夢をみるけれど、残念ながら男の子ってそうじゃないのよ。色々と納得出来ないところもあるでしょうけど、クリフトにも立場とか考えがあるの、そこをわかってあげないといけないわ」
ミネアは噛んで含めるように、優しくアリーナを諭す。

「なぁ、いっそ思い切って、嫁に貰ってくれんのか聞いてみたらどうよ?」
そのほうがわかりやすくね?とソアラ。もうこの話が面倒臭くなってきているので、これで幕引きを図りにかかろうという魂胆である。
「あ、私も実はそれがいいかもって思う。先輩のことだから、実はきちんと考えてくれてるんじゃないかなぁ?」
これに何とシャルも同意した。シャルは兄と違い、純粋にアリーナを思っての提案である。アリーナの幸せそうな笑顔が、好きなシャルは早くその顔を取り戻してあげたかった。

「でも、怖いの!・・・・だってわたし、もし答えが違うものだったら、きっと泣く・・・・・・」
「大丈夫だろー、嬉し泣きにしかなんねーと思うぞ?俺」
「うんうん。そうだよ」
何かを恐れるかのように、首を振るアリーナ。これに関しては、いつか、きっと、くらいの確約は絶対に取れるだろうということが、(何の)確証も無いが予感としてあるソアラとシャルは、笑ってこれを否定する。

「そうじゃなくて、答えがノーだったら、泣くまで殴っちゃうもの・・・・・」
「あら、そっちなのね」
と、どこかズレたアリーナの答えを、冷静に受け止めるミネア。

「「なんでそうなるの!!!!」」
そしてソアラとシャルの叫びは、素晴らしいハーモーニーとなって、保健室に響き渡るのであった。

続きます
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