The light stuff  あかるいひとたち

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窓硝子には愛してるの文字(一日一題一ヶ月その9)

(原題 液晶画面には愛してるの文字)

寒暖の差が激しいせいだろう、窓には結露が発生して完全に硝子が曇ってる。ああ、この寒さっておじーちゃんの腰にあんまりよくなさそうね。はやく治ってくれないと出発できないってのもあるけど、やっぱ退屈なんだろうなぁこの子達。アタシは何やら曇り硝子に落書きを始めたソアラとアリーナをチラと見る。クリフトは腰痛を悪化させたおじーちゃんを、ここのとこつきっきりで看病してるから、あまりアリーナの側にいないし、ソアラも今回ばかりはクリフトと別室で、いつものようなじゃれあいも控えている。なので、暇をもてあましたソアラは、ここんところこうして、アタシ達の部屋に入り浸ってんのよね。

ソアラとアリーナってね、クリフトの事さえ抜きにすれば仲良しだったりすんのよ。二人共精神年齢がどうも幼いトコあるから、その辺り実は話がすごく合うみたい。アリーナは何と言ってもやっぱお城育ちだから、所謂アタシらがやった遊びとかにはかなり疎いし。けどそういうのを聞かせると、あの娘は教えてくれてありがとうって、とても嬉しそうにするもんだから、ホント可愛いったらありゃしないわ。勿論、あんまり余計な話はおじーちゃんとクリフトに睨まれちゃうので、こっちもわきまえてるつもりだけど。

「え?!お前アイアイ傘知らねーの?マジで?」
「知らないから聞いたんじゃないのよー」
「へいへい、教えちゃるよ。まずこうだな、上の方に三角をかくんだよな」
キュキュと指で綺麗な直線をソアラが描く。アリーナってば真剣にうんうんと頷きながら聞いてるわ。

しっかしアイアイ傘とは、また随分と落書きの定番ドコを引っ張ってきたわねぇ。昔アタシもバランスの悪いアイアイ傘書いたっけ。お父さんと、アタシとミネアとオーリンとそして・・・・・、あのひとでなし全員の名前のはいった傘。ああ、嫌なこと思い出しちゃった。アタシらしくもない。

「でな、矢印みたく三角のてっぺんから、こう真っ直ぐ線をおろすんだ。あとは出来た傘の中には名前をだな・・・」
「ちょっと!!何でそこであなたがクリフトの名前を書くのよ!!」
あらら、ソアラってばまたやらかしてくれたか。

「へ?!」
わけがわからないといった顔してるソアラだけど、学習しなさいって何度言ったらわかるんだろうね?極度のヤキモチ焼きのアリーナがよ、そこでアンタにクリフトの名前を書かれたら、どういう反応するかなんてわかりきってるでしょーが!!

「ちょいまち!俺はただ、例を書こうとしてるだけなんですけど?」
「だからって、何でソアラがクリフトの名前を勝手に書いてるのよっ!!」
「えぇぇぇぇっ?!そこからぁ?」
多分ソアラはクリフトの名前を書いた隣にアリーナの名前を書くつもりだったんだろうけどさ、それよか先にアイアイ傘っていうのがどういうものなのかって説明、先にしといたほうがよかったんじゃない?とは言えさすがにこれじゃソアラが可哀想な気もするんで、噛み付くアリーナにフォローを入れようとした矢先に、険のあるテノールが響いてきた。

「随分と楽しそうですね?私もお仲間に入れていただけませんか?」
「んげ!!」
「クリフト!!」
ソアラ曰く、天使のような悪魔の微笑みをたたえた神官が、開け放たれた扉の向こうに登場していた。

「爺は大丈夫なの?」
「はい。大分調子も良いようです。つい先程お眠りになりましたので、姫様には大変申し訳ないとは思ったのですが、こちらで少々時間を過ごさせては頂けないかと思いまして」
「勿論いいに決まってるわよ!!ねぇマーニャ?」
アリーナがとっても嬉しそうにクリフトを部屋に入れるのとは対照的に、ソアラはざかざかと壁際まで交代した。殆ど条件反射のようなもんだろうねアレってば。

「あ俺、用事思い出したっ」
なんて言いながら逃げようとするソアラの肩を、微笑んだままのクリフトが捕まえる。そしてこれを見たとたんにアリーナの機嫌は急激に悪くなる。あらららら。まずいわね、コレは。ミネアもいないことだし、ここはアタシがやっぱ頑張るっきゃないか。

「アリーナ、ちょっとコッチにおいで」
「・・・・・なぁに?」
手招きでアリーナを呼ぶと、その耳元にあることを教えてあげる。アリーナの紅玉の瞳が大きく見開かれたと思ったら、ぽっと頬を桜色に染めた。
「がんばってみなさい、ね?」
「は、はぅぅ・・・・」
アリーナの方はコレでよし、と。

「ホラ、行くよ」
「へ?!」
次にアタシは、クリフトに詰問されてるソアラの腕を掴むと、そのまんまソアラをドアまで引きずるようにして連れて行く。
「マーニャさん?!何を?」
「買い物行くの。ソアラは荷物持ちに連れてくから、あとは二人きりでどーぞごゆっくり、ね」
「え?!ちょっと?!マーニャさん」
慌てたようなクリフトにウインクを一発くれてやると、外へ出る。助かったというような顔をしてたソアラだが、にんまりしてるアタシの顔を見て、恐る恐るこんなことを言ってきた。

「ねぇ、俺まさか本当に荷物持ちするとか?」
「助けてあげたんだから文句言わない!!ついでにお茶とケーキも驕りでヨロシクね」
「やっぱりかよぉぉぉ」
「だけどアンタ、この後はもっとアタシに感謝することになるかもよ?」
「え?!何でだよ」

ふふん。今アリーナにちゃんとアイアイ傘の意味教えてあげたのよ。まぁちょっと脚色(イロ)つけちゃったけども、あれだって誤差の範囲内でしょ、きっと。さぁクリフト。一体全体アンタはどうするかしら?窓硝子の傘に名前と一緒に書かれるであろう『愛してる』の文字には、もうアンタの得意な言い訳はきかないはずよ?


こちらは
・サイト名・
君を想う、春を思う様よりお題をお借りしました
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